「ちょっと、行ってくるだけだから」
「ほ んとに行っちゃうの?もう、会えなくなるよ?」
「大丈夫だ、きっと、一時的なもんだろ?」
「ほんとに・・・?」
「ほんとだって、必ず、また、会えるから」

 

 

 

 

 


 




影ふみ、という遊びが小学生の時にはやったことがある。


影を踏まれたら、その人が鬼だと言う普通の鬼ごっこを少し変えたような ものだった。
俺はその遊びがなんだかあんま好きになれなくて、だって、影だって俺の一部で、一 部ってゆーか影は俺であって、俺でない、大切な友達・・・みたいなもんで、そいつがあんな踏まれた りするのを見るのはなんかいやで、俺は影ふみをした日は帰り道、影に「ごめんな」と呟いていた。


影は「平気」とも「いたい」とも言わなかったけど、俺は影をこれ以上踏 まれたくなくなってた。
子供だったせいかもしれない。未分化の子供だったせいかもしれない。だ けど、俺はホンキで、影が踏まれるのがいやだったんだ。

 

 

 



そんなある日。



「政宗、影、ないんじゃないの?」

「は?」

「政宗 の影、ふめないもん」

 



クラスメイトに言われた小学2年生の夏。俺は自分に影がないことを 、知った。
俺が影を踏ませたくない思ったからか?と思った。影はもしかしたら俺から離れること ができたのかもしれない。
影がなくったってちゃんと勉強はするし運動もできるしご飯も食べるし 遊べるし、俺はすっかり自分に影がないことを忘れてしまった。
一体いつ、俺は影を失ったのか、 そんなことも分からずに、俺は影をなくしたまんまいつの間にか高校生になって、ぼんやり屋上でタバ コをすう。
別に煙を吸いたいわけじゃないけど、一度吸い始めると吸ってないと口寂しくなんだ。
アメでもいいんだけど、甘いの苦手だし。だから、タバコ。
ふぅ、と肺にまで入れない煙を吐 き出す。
ゆらゆら、焚き火のときにあがる煙みたいに細く、長く、揺蕩う。

 

 



「いっけないんだ〜」

「え?」

「タバコ、吸ったら いけないよ」

「・・・誰だよ、お前」

「病気になっちゃう」

「いや、だから ・・・」

 



いきなり現れた、背が高くてヒョロっとして、だけどネコっ毛でどっ かふわふわしてるソイツが俺の目の前にしゃがみこんでタバコを取り上げた。

 


「なにすんだよ!」

「タバコより、オレと話そうよ」

 


ね?って首をかしげてソイツは笑った。
なんか、その笑顔が怖くて、 顔はすごいきれいなんだけど、なんかほんと笑顔が怖くて、その怖さは何に通じるかなんてわからない んだけど、とりあえず怖くなる。
でも、その怖さは、もっと別の感情が潜まってたせいだなんて、 その時の俺に気づく余地なんてなかった。
なんせ、タバコとられて、いきなり話そうなんて言われ て、それだけでもびっくりしたってゆーのに、ソイツは俺のとなりに座った。

 

 


「俺の名前は、猿飛佐助。」

「・・・・」

「政宗は、こ こが好きなんだね」

「なんで俺の名前・・・」

「もうすぐ、雨降るよ、これ」

「え?」

「風のにおい、かわったもん」

 


まったくもって話がかみ合わない。


これでよく「タバコ吸うより話そう」だなんていえたもんだなぁ、と俺はちょっと 呆れてため息をついた。

 


「ため息つくと、しあわせ、逃げるよ?」

「誰のせいだよ」

「誰?」

「もう、いい」

「だめだよー政宗の悪い癖、もういいって言うの。 もういいことなんて、ないんだよ。ちゃんとわかりあわなきゃ」

「めんどい」

「だめ 、政宗はめんどくさいだなんてこと言ったらだめだよ」

「なんなんだよ、お前」

「猿 飛佐助」

「ちげーよ、そういうんじゃなくて」

「じゃあなに?」

「うざいっ て言ってんの」

「俺は楽しいけど」

「気ぃ、合わねーな」

「そうかな」

 

 



風が、ほんとに変わった。さっきまでの穏やかさは消えて、どことな く不穏な温度と湿度。
ぽつ、ぽつ、雨が降り出す。

 

 

 



「うーわ、最悪」

「政宗」

「あ?」

「明日 も、ここ、いる?」

「しらね」

「待ってるね」

「しらねーって言ってるだろ 」

「待ってる」

 

 



雨が俺の肩を濡らした。佐助の肩も濡らした。それでも佐助は立ち去 ろうとはしなかった。俺は立ち去ってしまったけれど。階段を降りてくと、佐助の「待ってる」が耳の 中でリフレインしてるのがわかった。なんでだろう、なんでこんな。


佐助は俺になにか不思議な感覚を与えた。懐かしいような、そんな。
でも、懐かしいだなんて、俺はまだ高校生で、懐かしいといえるほど人生を生きていたわけじゃなかっ た。懐かしい感情は、俺たちにはまだ芽生えるはずがないものだった。懐かしい、を得るにはもっとイ クスピアレンス・・・経験値が必要で、それは年月だからどうあがいたって、どんなに濃い人生だって年 月だけは得ることができない。時間を取り戻せないように、時間を先取りすることもできないんだ。


だから、この懐かしい、という気持ちが俺には理解できなかった。大体、 俺は佐助を知らない。記憶にもない。思い出にだってない。それなのに、なぜ?


頭を振る。


考えたってわからないことは、考えるべきじゃない。そんなのは不毛すぎ る。渡り廊下を歩くと、雨はさっきよりも強くなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




「バラバラになるなんて、ほんと は嫌なんだよ」
「だけど、無理なんだ。一緒に、今は、いれねーよ」
「でも、俺、離れたくな い」
「お前のためだから、いつか、ちゃんとまた一緒になれるから」
「信じても、いいの?」
「信じろ。お互いに忘れたって、きっと、思い出せるから」
「・・・うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



次の日は、曇りだった。


佐助は、ほんとにいるのかよ・・・と思って、俺は屋上に行った。

 



「いねーじゃんか・・・ったく、なにしてんだよ。俺」

 



自分がバカバカしくなってポッケに手ぇつっこんでマルメンだすけど 、なんだか吸う気にもならなくて手すりんとこまで行って、タバコとライターを捨てた。
ゆっくり 、落下してくようだった。

 

 



ゆっくり、


じわじわ、


落ちていく?

 

 

 



ほんとはあっという間に落ちてったのに、スローモーションのように 感じた。
あんなものに、ホントは興味なかったんだな、俺。なんにも、興味はないのかもしれない 。
楽しいとかうれしいとかおもっても、そんなの一時凌ぎできっと、ずっと夢中になれるようなも んがほしいって夢見てるんだ。それをごまかすために、なんにも興味もってないフリして、退屈なフリ して、抱え込んでるフリ、してる。
ごまかしたくないのかもしれない。本当は。だから、俺は、佐 助を待ってるのかも、しれない。
会いたい、って思ったんだ。気ぃあわないけど、なんかしらねー けど、全然友達とかじゃないけど、会いたい。そう思った。ごまかせないと思った。俺は、佐助に会わ なきゃいけない。

 


「政宗?」

「・・・あ?」

「こないって言ったじゃん」

「こないとは言ってねーよ」

「そうだっけ」

「そうだぜ」

「曇りだ ね」

「そうだな」

「座っても、いい?」

 

 


コクン、と頷くと佐助は、少しはにかんで俺の横に座った。
なんで横 にすわんだよ、お前は俺の彼女か。とか思うけど、まぁ、いいや。
横にいる佐助の体温が、なんだ か空気を通して伝わる気がした。

 


「佐助は、何年なんだよ」

「政宗とおんなじだよー」

「 うっそ」

「ほんと。」

「見たことないな」

「まぁ、10組もあるし」

「そっか」

「今日は、タバコ、吸ってなかったね」

「捨てた」

「え?なんで ?」

「別に、いらねーって思ったから」

「ふ〜ん」

「病気、なるんだろ」

「そーそー」

 



ふふっ、て佐助が笑った。
やっぱ、なんか、懐かしい。なんなん だ、これは。この、泣きたくなる、胸がつまる、苦しくなる、鼻が痛くなる、この懐かしさは、なんな んだろう。

 



「なー佐助」

「ん〜?」

「俺たち、どっかで会った ことねーか?」

「え?」

「あ〜でも、あれか、おんなじ学年いたらあるかぁ」

「・・・・」

「なんか、そんなすれ違ったとかそういうレベルじゃねーんだけど、な んだろ・・・よくわかんねえけど。」

「まぁ、そういうことも、あるんじゃないの。」

「そうかなぁ」

「そうだよ、きっと」

「そう、かぁ・・・?」

「な に、その眉間の皺。男前が台無しだよ」

「なんだろうなぁ〜・・・お前見てると、なんか思い 出すんだけどなぁ」

 



そういうと、佐助は立ち上がった。


??


スタスタ、屋上の手すりにまで歩いてく。そんで、「あー!!」っていう 。前にやってた、あややのCMみたいに、「あー!」って言う。


え、ええ!?な、なんだよ?


佐助が振り向く。


曇ってる空から一筋の光が佐助の髪を照らした。きらきら、照らした。

 

 

 


そんで、


 

 


「      」

 

 

 

 

 

 



「え?なに?」

「早く、思い出してね、政宗」

「は ?今何言ったんだよ?聞こえなかったんだけど。」

 


え?なんだ、いまの佐助の口の動きは。何言ったんだ、ろう?全然聞こえ なかった。

佐助は口笛を吹いた。

 

 



「・・・まつだせいこ?」

「うん」

「なんだっけ、 」

「赤いスィートピー」

「あーそう、そうだ。つかなんでそんなん知ってんだよ」

「有名だもん」



I will follow you あなたに、ついていきたい、だっけ。
口笛を吹く佐助の横顔は、びっくりするくらいキレイ だった。元々顔はキレイなほうだと思う。好きな顔ではないけど、でも、有体に言えばキレイ、だと思 う。
そんなキレイな佐助が余計にキレイで、俺はなんか変な気持ちになった。
もやもやした。
もやもやして、
もやもやしすぎて、

 

 

 

 

 


佐助に、キス、してました。

 

 

 

 



「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」

 

 

 

 



(あれ?俺、なんでキス、したんだろう??)←根本的疑問!



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「政宗、俺のこと、迎えにきてよ」
「 くる、お前のこと、ちゃんとむかえくるから。」
「忘れないで、俺は政宗についていきたいんだか ら」
「俺だって、お前がついてきてくれなかったら、困る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




佐助にしたキスは、今までしたことあるキスとはなんだか違う感 じがした。他人に触れてる感じがしなくて、どことなく奇妙なキスだった。それは、自分の指を切って しまって血がでたとこを舐めるような、そんな感じのキス。他人のからだにふれる違和感が佐助とのキ スにはなかった。
でも、佐助のうっすら開いたくちびるから、舌を差し入れると粘膜に触れて俺は なんか興奮する。佐助の薄いベロを絡めとると、思ったより弾力があってもっとこのベロをどうにかし たいって思う。力いっぱい絡めると、佐助はうっすら涙を浮かべる。

 


あ、やばい、これ、いいかもしれない。

「・・・ん、ふ」


鼻から抜ける佐助の呼吸を肌で感じる。
不規則な呼吸、不規則な鼓動 、不規則な思考。すべてが不規則のように思えて、規則的な列をなしているようにも思えた。
偶然 のようにみえたキスも、抗いきれない運命がそこにはあったのかもしれない。
懐かしい気持ちが体 中一杯に満ちる。不思議だ、不思議なんだ、この懐かしさ、尋常じゃない。
キスに没頭する。雲が 晴れていく。日差しが、佐助の髪の毛を透かす。

キラキラ、する。

 



「はぁっ・・・、ん」

「…ごめん」

「なんで、謝るの ?」

「だって・・・」

 



佐助の顔見れないでいると、佐助が俺の頭を撫でて、つむじにキスを してきた。

 

 



「ねぇ、政宗、政宗は俺を必要としてくれる?」

「え?」

「ねぇ、どうなの?」

「ひつよう?」

「うん」

 




政宗は、俺が必要?と真剣な目をして佐助は聞いた。


喉に、石がつまったみたいに俺は言葉をつむごうとするとひどい痛みに襲 われた。


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



「影をあそこにおいてくるべきじゃな かったんだ」
「だけど、それがお前の選んだ道だろう?」
「だって、影は一緒にいれない」
「でも、影はあそこにおいていかれたら、あとは死ぬしかないんだ」
「え?」
「捨てられ た影は、そこで、いつか死ぬんだ」
「捨てたわけじゃない、俺はアイツを捨てたわけじゃない」
「影を離すってゆうのはそういうことだ。」
「なら、迎えに行く、今」
「あほ、一回離れ たら、もう影がいるとこにはいけない。だって、ここは、」



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


次の日も、その次の日も、俺たちは屋上で会って話をして、キスをした。 サイキンはずっと曇りで、時々雨が降った。雨が降ったときは屋上にいけないから、俺は佐助に会えな いと思うと、なんだか物足りない気持ちになってた。逆に佐助に会えば、俺は少なからず安心したし、 佐助と話すようになってからタバコを吸うとかしなくなった。笑うようになったし、ちゃんと物事をま っすぐ受け止めることができるようになった。

 


たとえば、授業。
知っているようで知らないこと、まるっきり知らな いこと、既に知ってること、そういうことが複雑に絡み合って授業は成り立ってる。それは、たとえ知 っていることでも新しいことに気がつくこともあるし、知らないことだってそれをそのまま受け入れな いでちゃんと自分の目で調べることをするようになった。それはただの今までみたいな暇潰しとしての 知識ではなく、ちゃんと自分を教育するというコンセプトにぴったりとはまり込んだ。


佐助がいったいどこのクラスにいるのか、俺は知らなかった。
一回聞 いたけど、なぜかはぐらかされてしまってなんか「聞くな」っていうオーラを出してたから俺はそれ以 上聞くのをやめた。まさかクラスメイトだったらどうしよう、と思って名簿をみるけどとりあえず俺の クラスの名簿にはなかったから、クラスメイトではないようだった。でも、俺はここ以外で佐助をみる ことはなかった。


それは逆に不思議だった。俺は気をつけて佐助を探したし、全校集会でだ ってみかけたことがなかった。でも、俺はこうやってここで会えることでいいと思ってた。
佐助と あって、はなして、キスをする。それがすべてでよかった。

 

 

 


そうやって日々をすごして、夏が近づいてた。

 

 

 



夏になると、うちの学校では体育祭がある。
秋にやればいいんだ けど、なんか毎年夏にやんだよ。倒れるやつがでないことがほんと奇跡的だ。体育祭の準備は運動委員 の1年がやるってきまってるらしくて(3年は受験だし、2年は運営そのものに携わらない)俺は全校生 徒分の名簿を8人ずつにわけるクソめんどくさい仕事をしてた。平等だかなんだかしらないけど、全員 50メートル走にでなきゃいけないらしくて、そのレーンわけ。く、くそめんどくせー。



(あ、佐助何組なんだろ・・・)



一年の名簿をパラパラと見る。
1,2,3・・・すすんでいって も佐助の名前は出てこない。おかしい、これはおかしい。とうとう10組まで見終わっても、佐助の名前 はなかった。え、タメじゃないのか?あれ?俺の勘違いか?と思って2年、3年もみるけどやっぱりどこ にも佐助の名前はなかった。

 



「どういうことだよ・・・」

 

 


目の前の名簿を見つめながら、俺は呟かずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「どこにもいけないんだ、ここは、世界の 終わりなんだから」
「世界の終わり?」
「そう、世界の終わり」
「意味、わかんねぇ」
「わかるとかわからないとか違うんだ、ここは世界の終わりで、影は捨てなくてはいけない。ただ 、それだけだ」
「捨てたら、アイツどうなんだよ」
「死ぬ」
「死ぬなんて、軽々しく言う な」
「死ぬことは死ぬことだ、それ以下でも以上でもないんだよ。そこに意味を見つけようとする から、そんな感傷的になるんだ。」
「感傷じゃ、ない」
「感傷的なものは、正確さを狂わせる 。感傷じゃないって言ってるときほど、感傷を抱いてるときはない。そんなもん、捨てろ。」

 

 

 

 

 

 

 

 



雨が降った。今日は佐助に会えない。


でも、今日はそれでよかったのかもしれない。
まだ俺はイマイチ信じ きれなくて、休み時間ごとに一クラス一クラス「猿飛佐助いる?」って聞いてまわった。でも、どのク ラスにも佐助はいなかった。



どういうことなんだろう?
一体、どういうことなんだ?



佐助はちゃんと制服着てたし、ちゃんと足あったし、ちゃんと俺とキ スしてた。笑ったし抱き合ったし、ちゃんといたのに。それなのに、佐助はいないんだ。明日、晴れた ら、曇りでもいい。ちゃんと佐助に聞けるんだろうか?佐助は一体、誰なんだろう?佐助は佐助でしか ありえないけど、でも、

 

 

 


そういえば、アイツは一回俺に変なことを聞いた。「必要?」って、俺に 聞いた。あの時俺は答えられなかった。でも、今ならちゃんと「必要だ」って言える。絶対に言える。

 

 

 

 

 

 

 




「政宗」



「え?」

「元気?」

「さ、すけ・・・」

「 どーたの?そんな顔して」

「お前・・・」

「どうしたの?」

「この学校の生 徒じゃないだろ?」

「・・・どうして?」

「名簿、見たんだ」

「そっか」

「お前、誰なんだ、一体」

「・・・聞きたいの?」

「わかんねぇ、正直、聞 くべきなのかもわかんねぇ」

「政宗は、影がないよね」

「なんで、それ・・・」

 




佐助は悲しそうに笑った。そして、俺のネクタイを引き寄せて、 触れるだけのキスをした。

 

 



「佐助・・・」

「政宗の、影だよ。俺が」

「え?」

「政宗が、俺にいっぱい話しかけてくれたの、うれしかった。政宗がほんとちっちゃい時だけ ど、俺が踏まれるたび、ごめんなって、そう言ってくれたじゃん。うれしかった。俺なんか、影なのに 、そんな優しくしてくれて、ほんとにうれしかったんだよ?政宗、それで、俺を政宗から離したんだ。 覚えてないだろうけど、これ以上俺が踏まれたりしないようにって。俺のこと離したんだ。でもな、離 された影って、長く生きられないの。そのときの政宗は、俺がかわいそうだからって、それで俺を離し てくれたけど、離された俺は、もう、多分、そろそろ、だめなんだ。でもね、俺、最後くらい政宗に会 いたくて。ありがとう、言いたくて。だから名簿にのってなくて当たり前なんだよ。俺は、影だから。 だから、俺、もう、戻らなきゃ。このまま死ぬのなんていやだもん。政宗と一緒に生きていきたい。だ って、俺、政宗のことすきだから。あ、そうだ、好きなの。すきだって言いたかったんだ。好きだよ、 政宗。」

 

 

 



え、ちょっと待て。好きって、俺もすきだけど、え、つか、村上春樹 だろ?影って、おもいっきりパクリじゃん、いやいや、あの影の話はあの話のなかにあるからこそ意味 があるもんで、そんな切り取っただけのような、そんなパクリみたいな、そんな、え?そんな意味の分 からないこと、あるわけない。じゃあ、俺は、自分の影に愛情を抱いたわけか?俺が佐助からもたらさ れたと思った光は、自分でもたらしたものっつーことになってしまうの?俺は、佐助のおかげだって、 ほんとに思ったのに。佐助だから、佐助だったから、ってほんとに思ったのに、そんなオチはつまらな いと思った。そんな面白くない新聞の4コマみたいなちょっとウィットきかせました!的なクソみたい なオチ、いらねーって思った。寒すぎる、そんなオチは寒すぎる。

 

 



それなのに、佐助は「お別れだね、政宗」って、左目から一粒、涙を 零した。

 

 

 




「ありがと、ばいばい。優しくしてくれて、ありがとう」

 

 

 




そのとき、雨が止んで太陽が雲間から光をさす。
廊下一杯に 光が満ちる。眩しすぎて、一瞬目の前が白くなる。光、光、光。光で一杯、だ。
目がようやく光に 慣れてくるともう佐助の姿はなくなっていた。

 


「佐助・・・。」

 




ふと、足元を見ると、そこには、何年ぶりかにみた影。

 

 



(佐助・・・懐かしい意味、わかった。俺は、お前で、お前は俺だった んだな。だから、あんなになつかしかったんだ。失った影を取り戻す過程だったんだな、笑ったり離し たり抱きしめたり、キス、したり。でも、俺、そういうのしてたとき、ほんとに愛しいって、思ってた んだ。愛しくなきゃ、そんなことしなかった。自己愛じゃない、これは佐助に対しての愛情だった。ほ んとうに。なぁ、佐助、俺、苦しい)

 

 

 

 



しゃがみこんで、影にそっと手を伸ばす。


佐助の唇あたりに、あの厚くて触れるとちょっとつめたい唇 があるであろうあたりに、俺はそっと触れた。

 

 


スキが、伝わるように、優しく、そっと、触ったんだ。



 


「世界の終わりとハードボイルドワンダーランドの一節を、ありえない状況と、そして、」

 

 

 

 

20070918

 

 

 

 

 

 

 

 


村上春樹さんのあれです。世界の終わりのとこで、影がどーのこーのっ てとこで「さすけがかげだったら萌える・・・」と思って打ったらただのうだうだ文でそのうえわかり にくいものになってしまいました。とりあえず、ぱくりです。本物を読んだ方には少しは伝わると思う のですが・・・読んだことのない方はなんのこっちゃですよね。あーでも世界の春樹だからな〜読んだ ことないって人はあんまいないと思うんですけど、これはわたしが春樹がすきなだけだからだろうか。 つーかほもぱろでぱくりです、すいません。つぎは黄泉がえりのぱくりをやりたいです。つーかパクリ ってアレですね、あんま印象よくないな…借用・・・です、なんかなーほもの上に借用ってほんとタチ悪 いな…すいません。ほんと、好き勝手やってすいません。ここまで言い訳を書くのもはばかれるのです が、ほんと、すいません。見逃してください。つーか、正直この本まだ上巻しか読んでないので影がど ーなのかよーわかってないのでアレなんですけど・・・すいまっせん!出来心です、ほんと、すいませ ん。ぱろでぃです。

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